我が家での読み聞かせ

 読み聞かせをしている教員として、自己紹介文を書くことになりました。
 教員としての紹介は、簡単ですが、親としても読んできたので、文章を書くことにしたら、
 「長男が生後2ヶ月から読み聞かせを始め、三人の子供に読み続け・・ 」でとまってしまいました。
 で、どうなったと書けばよいのかと。

 「同級生の誰よりも読書家になった。」
 「国語の成績が誰よりもよかった。」
 
 違うなあ。

 と思っていたら、昨日読んだ本の松岡享子さんの講演記録に、あ〜そうなんだと思った文章があったので、引用させて頂きます。

 まず、石井桃子先生の有名な、子供が本の世界に入って得る利益にふれておられます。

 

一つは、本から得た自分の考え方、感じ方によって、将来、複雑な社会でりっぱに生きてゆかれるようになること、それからもう一つは、育ってゆくそれぞれの段階で、たのしい世界を経験しながら大きくなってゆかれること。

 そして続けて、

 

その通りにには違いないのですけれども、おとなになってりっぱに生きていけるというのは、ただ社会に適応して、安定した生活を営むというだけでは十分ではないと思います。危うさと不安を抱えている今の世界では、それ以上に、こどもたちには、世界が抱えている大きな問題、環境のこと、平和のことに関心を持ち、少しでもよい解決を見出せるように挑戦する人になって欲しいと思います。そう願えば、なおのこと、子ども時代には、子どもたちに、たっぷりたのしさを味わい、幸せを知っておいてもらわねばなりません。本はそのための、一つの強力な手だてです。

太字は、koyateru

 「幸せを知っておく」って、いい言葉だなあと思いました。確か椋鳩十氏だったと思いますが、「親に読んでもらった声は、人生でもし行き詰まった時には、黄金の声になる」(大体の意味)というような事を書いておられました。
 まだ自分で読めない時はもちろんのこと、読めるようになっても、親に本を読んでもらうのがどれほど子どもに幸せをもたらすかと思うと、やはり「読んで欲しい」ということを伝えていきたいし、良書を子どもに手渡して行きたいと改めて思った一文になりました。

 で、結局わが子達がどうなったかと言うと、
 「たっぷり楽しさを味わった。」でいいかと。