何のための本を読むのか
私がずっと読み聞かせをしたり、子どもに本を読んで欲しいのは、なぜなのか。これをきちんと説明しなければと思ってきました。
- 作者: 脇明子
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2005/01/18
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脇先生は、大学で学生に子どもの本を教えながら、「子どもが本を読むことの必要性」とそのために「大人が何をすべきなのか」をずっと考え、その結果がこの2冊です。
1冊に100冊程度の児童書が紹介されていますし、かなりの長編もありそう簡単には読めないので、ある程度、児童書を理解していないと難しいかとは思いますが、小学校の教員や、小学生を持つ保護者の方で興味ある方は、一度は読んでおく本になるかと思います。
私は特に「昔話」についての話が腑に落ちました。
「昔話のメッセージはその場で理解する必要はなく、物語を純粋に楽しんだものを心の中にためこんでおけば、いつかそのうち「ああ、このことだったんだ」とわかるときがやってきます。また、意識にはのぼらなくても、重要な判断をするときなどには、昔話から得た知恵が大きなよりどころになっていそうな気がします。
これは、個人的はよく分かります。いつか書きましたが、私の土台をつくっているのが、多分「昔話」だからです。
また、学校で行われている読書教育への苦言が呈してあります。つまり「本をたくさん読みましょう」式の多読推薦についてです。
確かにたくさん読めばいいというものではありませんが、ベースとなる「読書する習慣」がないと、いきなり読書はできないのも事実なのです。
これは、いつかデータを取りたいのですが、本を読むようになる子どもを見ていると、量から質への変換期があるのです。
あっ、ここで変わったなというものです。
良質の本を読ませようとすると、当然良質のナビゲーターが必要で、まずは、大人が本を読まないと伝えられないということです。