中学での読み聞かせ

中学での読み聞かせについての相談を受けました。単発ではなく、何回か継続するという前提なので、学校側が何を期待しているのかをよく聞き、「いいものだねえ」と思ってもらえような組み立てが必要となります。そして、生徒や教員に好評であれば、教育課程に組み込まれていくことになると思います。
 中学の場合、学校司書が常駐し、図書館が機能していれば別ですが、そうでない場合、いきなり「読み聞かせボランティア」が出て行って読むのは、読書という面での土壌ができていないだけに、読み手にも聴き手にもかなりの負荷がかかるものと推察します。

 私からは、

読書のアニマシオン―子どもと読書の世界を広げる

読書のアニマシオン―子どもと読書の世界を広げる

の本を紹介しました。聴き手とのコミュケーションを取りながら読む回もあっていいと思ったからです。
 読み聞かせは、読み手が「いい」と思って選書した本を読むのですが、聴き手と語り手のコミュニュケーションが取れていないと、うまくいくはずのものもうまくいきません。これは、授業と同じで、どれだけ素晴らしい指導案があり、指導者がいても、目の前の授業を受ける児童生徒が育っていないと絵に描いた餅になるのと同じです。
 いきなり「どっと笑える本」を読み聞かせたら、それを聞いた教師から「何て幼稚な本」と思われたり、「感動的ないい絵本」を読んで、「朝から感動話?」と生徒からしらけられたり・・と中学での読み聞かせ受難話はよく聞きます。
 
 個人的には、中学の読み聞かせは、ブックトーク的な要素を入れ、図書館へ誘い、自ら本に手を伸ばすような仕掛けにするのがいいのでは?と思っています。そのため、もちろんボランティアが読んでいいのですが、学校司書が関わることで、その後の生徒の「関連本を読みたいというような要望」や「本に関する感想を聞く」などに対応ができことでしょう。