公立図書館との連携

 市内の学校司書の方に「公共図書館との連携」のようなことを聞かれたので、それは「沼津市読書推進計画」に書いてあったと思い、久しぶりに読んだのが先日。そして、そうそう、それなら、滋賀県高月町立図書館長の明定さんに、どうしてるか聞けばよいと思い立ち電話したのが昨日。
 10年ぶりぐらいでしたが、お元気な声を聞くことができました。

 明定さんとは、神戸時代に「図書館問題研究会」で一緒でした。なんで小学校教員だった私がこの研究会に入っていたかは、長くなるので割愛。私も明定さんも20代で若かったです。
 明定さんは、兵庫県で地元図書館勤務の後、成田市立図書館開設から携わり、高月町図書館長は、当時多分史上最年少の30代半ばだったと記憶しています。


 で、今日図書館に行って

こうすれば利用がふえる―公共図書館の経営

こうすれば利用がふえる―公共図書館の経営

をたまたま手にして読んでいたら、「すぐれた図書館経営の実例」6館のうちの1つとして紹介されていました。
 1995年の図書貸し出し密度(住民1人当たり貸し出し冊数)が、33.3冊と全国1位です。町外以外の貸し出しを認めているからでもなるそうですが、町外を除いてても、1位なんだそうです。

 1995年に私が東京で明定さんの講演会を企画し、その時に聞いた話で、私が特徴だなと思ったのは2点です。
 1つめは、「混配」。ノンフィクションでの児童書と一般書を一緒に配架してあります。
 2つめは、「学校・教師との連携が濃い」こと。

 明定さんは、教員経験はありませんが、かなり「教員のニーズ」が分かってしまう館長です。若い頃から仮説実験授業研究会に顔を出したり、教員が読んでおくべき教育書に目を通しているからです。
 
 本書には
 
 

学校図書館の蔵書の選書業務を行っていることもそのひとつだが、公立図書館では、所蔵することの
少ない教員向けの教材資料を意識的に収集したり、一般図書として利用可能な学習参考書をも収集するなどの対応が見られる。

とあります。

 1度、図書館訪問に行ったときに、混配も、教育書の充実も見せていただきましたが、昨日聞いてびっくりしたのは、学校との連携です。授業で使う図書の「物流システム」が出来ていて、「地震の調べ学習するんですけど・・」と連絡すると、次の日には、学校に本が届くとか・・・。図書館が学校の教育課程を把握していないとできないことです。
 文科省が、「学校図書館支援センター」の取り組みを支援していますが、高月町のような小さな自治体は「支援センター」がなくてもできてしまうのだなあと思いました。

また

子どもの読書環境整備のためのチェック項目

子どもの読書環境整備のためのチェック項目

という冊子を見つけ、へえ〜なんて感心していたら、制作者
日本図書館協会図書館政策委員会<子どもの読書推進>特別検討チーム」6名の内の1名が明定さんでした。
 学校の読書環境に関する質問事項は、36。
 「学校図書館ボランティア」に関する事項は、「ボランティアを活用していますか」ではなく、
「学校は、図書館ボランティアを受け入れる場合、ボランティアの位置づけを明確にしていますか」
でした。
 「ボランティアの位置づけを明確にする」ためには、学校図書館経営方針がしっかりしていないとできないことであり、この項目だけでもでもすばらしいチェック項目であると思いました。