中学や高校では?

 

はじめての文学 宮本輝

はじめての文学 宮本輝

を読了。
 宮本さんは、デビューからずっと読んでましたが、ここしばらく読んでいません。初期の作品は、(多分かなり暇だったのでしょう)何度も何度も読んでいます。
 20年以上前、国語研究会の講演会講師として話を聞きました。今でも強烈な印象として残っているのは、自身の生い立ちの話。
 講演会終了後御礼の言葉で、「宮本さんの作品を読むと、根底に流れる暖かさには似つかわない凄惨な描写があるのが解せなかったが、今日の講演で何となく納得しました。」というような意味のことを、その会の代表者である教員の方が言われました。
(本当にうろ覚えです。)

 今でも、講演会の話より、その講演会後の短いコメントを鮮明に覚えているのは、私も全く同じ事を感じていたのと、作家の方をお呼びするならきちんと作品を、その他の方なら著作を読むことが礼儀なんだなあと強く思ったからです。
 
 こういう視点で、講演会後のコメントを聞いてみると、どれだけその方のことを学んでいるかすぐに分かってしまいます。今まで一番のびっくりは、・・・・登壇者の所属をつかえながら言い、しかも名前を間違えた方。私は凍り付きました。

で、このシリーズ。
帯によると、
 

小説はこんなにおもしろい!
 文学の入り口に立つ若い読者へ向けた自薦アンソロジー

全12巻で、刊行順に
 村上春樹
 村上龍
 よしもとばなな
 宮本輝
 宮部みゆき
 浅田次郎
 川上洋子
 重松清
 桐野夏生
 山田詠美
 林 真理子

林真理子さんの巻が2007年10月出版ですので、全巻発刊されています。

 読みながら、中学生向きなんだろうか?高校生向きなんだろうか?を考えましたが、そもそも中学の教科書に誰の何という作品が掲載されているか、断片的にしか知らないことに気が付きました。
 
 以前、調べる必要があって、1社だけ中学の教科書を購入したことがありますが、やっぱり知る必要はあると感じました。

 このようなアンソロジーなら読みやすいので、私は是非中学に揃えて紹介し、読んで欲しいなあと思いました。
 どの作家も、どの作品を「自薦」したのか興味あります。特に山田詠美さん。子どもから見た大人の描き方は、本当にうまいと思います。(って、そういう作品ではないかも。)