理科と数学

 今日の理科は、6年生水溶液単元の最後の時間だった。
「謎の水溶液 A B C Dを渡し、今までに学んだことから推論して実験し、考えるというもの」
 実験の様子を見ながら、もしかして6年の理科で、個人的に1番好きな時間かも知れないと思っていた。
 既習事項を基に、予測していって、「あっ分かった!」という声が飛び交うのだから、子どもの表情はいつにも増して楽しそうである。

 私は、小6の電磁石の実験で、コイルは、完璧に綺麗に巻けたのに、なぜか動かず、その一瞬「はあ〜苦手」と刷り込まれてしまった。
 だから教師になった時に、理科に関しては、私の二の舞を子どもに踏ませてはならない!と堅く誓って今日に至っている。
 
 女性教員の割合が多い小学校では、空き時間希望は圧倒的に「理科」であり、担任外の私は必然的に「理科」担当になっているというわけだけど、今日のような時間があるから、本当に楽しいなあと思う。

 ついでに思い出すと、私が一番好きだったのは数学。小・中と1番好きだったけれど、高校の数学の先生がこれまたとっても素晴らしい先生で、多分明けても暮れても数学の問題を解いていた。
 特に3年の時は、大学の先生だった(らしい)のを体を壊して郷里に帰ってらした先生で、毎時間「数学は美しい」と感じながら授業を受けていた。
 その先生から「数学の道へは進まないのですか?」と問われたものの、私は「図書館司書」が天職だと思いこんでおり、数学が世の中にどう役立つのか全くイメージできず、結局数学問題を解く人生は18才で幕を閉じることになった。

 数学の楽しさを思い出すということは、必ずM先生のことを思い出すことであり、数学だけは姿勢を正して聞いていた30年前が思い起こされる。
 そういう風に思い出される教師でありたいなあとは願望はするものの、M先生のことを思うと道のり遙かなことだけは、確かなのである。