東井義雄先生著作集

 東井義雄先生の著作集を勤務先で見つけ、折に触れ読んでいる。今日は、全7巻のうちの(ないと思っていた)4巻(1972年 明治図書)を見つけ、読み始める。
 はじめにの言葉を読みながら、35年も前に書かれたものとは思えなくなる。
 

日本の教育は、今、さまざまな問題を背負っている。しかも、そのほとんどが、私たち日本の教師の「授業の喪失」から生まれてきていると言えるのではないだろうか。学力問題も青少年不良化問題も、すべてそうだという気がする。だとすると、「授業の回復」こそ、私たちの急務ではないだろうか。

 東井先生は明治45年、私の実家である出石町(現 豊岡市)の隣の但東町の生まれである。読みながら、小学校教員をやっていた私の祖母(明治40年生まれ)は、東井先生のことを知っていたかもしれないと、初めて思い始める。
 30半ばにして亡くなった祖母の勤務校は、小学校教員であった東井先生のご長男(私の恩師)が朝マラソン中に倒れた学校でもある。
 私の中にある教員を続ける力は、志半ばで病に倒れ、教員を続けられなかった祖母や恩師である東井義臣先生(東井義雄先生のご長男)からもらったものなのだと、今頃気がつく。