山梨県立文学館 高村光太郎展

 今年のゴールデンウィーク唯一の外出日。変わり映えしないけど、山梨へ。夫の目当てはもちろん、先月初めて足を運んだ「コマツガーデン」
そこで、4本ものバラの苗木を買ってご満悦。私は、入り口にあった真っ赤な「ダブリンベイ」があまりに見事なので、「我が家で育てられる?」と聞くと「2階の南向きのベランダならOK」とのこと。思案のしどころです。
 その後、思い立って「県立美術館」「県立文学館」へ。
 県立美術館は、ミレーの作品を購入した頃に1度足を運んでいる。その時は確か文学館はなかったはず・・と思ったら、1989年(バブル頂点)の開館だった。
 美術館のミレー作品は、東京芸大へ修復に出されたようで、その様子をビデオで放映していた。レントゲン撮影はもちろん、その修復も次回の修復を見越して行われているとのこと。何でも「維持」には、膨大な手間と時間(もちろんお金も)が掛かるのだと実感。先月武川村で見た枯れた 萬休院「舞鶴松」を思い出す。

 県立文学館の企画展は「高村光太郎―いのちと愛の軌跡」であった。
高村光太郎の詩集は、私の高校時代の愛読書で、多分当時はほとんど暗唱できた。
 そう言えば・・とふいに、大学入試を思い出す。作文2枚の推薦入試で、お題が「道」だった。「道程」の有名な冒頭2行を引用しようかどうか迷い、あまりにありきたりのような気がしたが、結局引用して書いた。
 で、企画展の入り口の1等席にその「道程」の直筆原稿が置かれてあった。何と本邦初公開とのこと。その横には、有名な「手」の彫刻。また、鯰の彫刻、父高村光雲をモデルにした彫刻など、すべて教科書で見た作品がたくさん出品されていた。

 年代を追っての作品群、16才で亡くなった姉の作品、亡くなった時の「梅原龍三郎の弔辞」、光太郎が亡くなって草野心平朝日新聞に寄せた直筆の詩、智恵子の切り絵(智恵子抄に載っていた写真のもの多数)、智恵子が参加した青鞜創刊当時の写真(これも国語便覧で見た)などなど、ただただ圧倒され続けた1時間だった。
 会期が6月24日(日)までだそうなので、近くの方は是非!!これで720円は安すぎます。

 いつか、阿多々良山に登り、光太郎が晩年を過ごした山小屋へ行きたいと思ってます。
 山小屋は、宮沢賢治の紹介なので、当然岩手県にある。賢治記念館へ足を運んだときに分かってれば、行ったのに・・と思っても後の祭り。
 
 

智恵子抄 (新潮文庫)

智恵子抄 (新潮文庫)

 

智恵子と生きた―高村光太郎の生涯 (詩人の評伝シリーズ)

智恵子と生きた―高村光太郎の生涯 (詩人の評伝シリーズ)

おまけ 
 県立文学館に貼ってあった図書館団体のポスターが、荒井良二さん作でした。

のような黄を主体とする目が覚めるようなすばらしい作品で、思わず「図書館に欲しい!」と思ってしまいました。