連休2日目

 夕方書店へ。購入本

どれだけ読めば、気がすむの?

どれだけ読めば、気がすむの?

春休みに
百年の誤読

百年の誤読

を読んだら面白くて、是非豊崎さんの本は手元に置いておきたい!と思っていたので、今日書店でご対面し、即購入です。本を手にとっていたら、随分前の保護者の方に会い「私も豊崎さんの本好きです。」という話になりました。以前「読書会やりたいね〜」と言っていた方です。
 
 「100年の誤読」は、20世紀の百年間に日本文学史上で話題となったベストセラーを岡野宏文さんと2人で大解剖している本です。ベストセラーですから、読んでなくても「書名、または内容」は知っている作品が多々あり、本当に楽しませていただきました。一番のヒットは
赤頭巾ちゃん気をつけて (中公文庫)

赤頭巾ちゃん気をつけて (中公文庫)

を2人ともかなり肯定的に評していることで、私が人生一番回数読んだ小説なので、お二人のことを「いい人だなあ〜」と思ってしまいました。
 これは、1969年安田講堂事件があった年の第61回芥川賞受賞作です。昨日、東京の某所で安田講堂の話になり、「この本知ってますか?」と少し年下の方に聞いたら「知らない」と言われました。当時の高校生は必ず読んだような気がするのですが、年代が違うのでしょうね。
 ちなみに、作者の庄司さんは、日比谷高校出身です。この本が出版された時に「書いたのは、(日比谷高校の)内田(樹)か?」という噂がまことしやかに流れたという話が、内田先生の本のどこかに書いてありました。

で、話は戻って「どれだけ〜」です。本の帯には多くの方がコメントを寄せています。2人の紹介、ジュンク池袋本店副店長の田口久美子さん

トヨザキさんは書店の存在を意識した発言をする、初めての文芸書評家です。

岡野宏文さん
 

本書の三大欠点
 その1、 内容が濃くて疲れる。
 その2、 的を射てて悔しい。
 その3、 著者は僕ではない。

 この帯文だけでも手にとって読みたくなります。前口上には

 

(ひと月に3冊の新刊を紹介していた連載のことを)3冊紹介する時には、その中の1,2冊は当該雑誌の中心読書層が楽しめそうな本を選び、
 そこに少し敷居が高そうな小説をこっそり忍び込ませる。そんな書き方を心がけてきたつもりです。

とあります。手元において、仕事に疲れた時に読むと、力が少しは出てくる本になっております。この手の本が仕事部屋にあるのが、仕事が進まない原因・・にしてはいけません。

 ところで、比べるのも何ですが、私が4年前に1年間「3冊の児童書」紹介をやった時も同じように考えました。1,2冊は、まあ知っていると思われる「作家」「本」にして「そうそう」と思っていただき、あとの本を知らないと思われる本にしました。
 結局、うんうん唸りながら1ヶ月に1度書くのと、毎日「こんな本あるよ〜」と気楽に書くエネルギーの総量は変わらないと思って、このブログを始めたのでした。