東京

 東京研究会。「よい本の選び方」というお題で10分の時間をいただく。絵本の紹介を何冊か入れると何度練習しても時間配分がうまくいかず、欲張りすぎたなと反省。
 そこで紹介した新採の時のベスト6です。

 新採用は2年生で、授業がうまくいかない埋め合わせの意味をも込めて、多分200冊は読みました。当時は手持ちの絵本がそれだけなく、当然学校の図書室にも私の読みたい絵本はなく、せっせと「大倉山の神戸市立図書館」に毎週通い、本を借りていました。
 そして1年の最後に、読んだ本100冊をリストアップし、4段階で子どもに評価してもらったのです。「見事」に今でも使える6冊です。こういうのを「ロングセラー」と言い、「定番」の絵本として学校には揃えたいです。では、順番に

 

じごくのそうべえ (童心社の絵本)

じごくのそうべえ (童心社の絵本)

 作者の田島さん講演会で読んでもらった時の楽しさは何年経っても色あせません。また、この本のもとになった米朝さんの落語も(テープで)何度も聴いているからか、私の揺るぎない定番の1冊です。たっぷり15分はかかりますので、じっくりお話が聴けるようになってから読んだ方がいいです。
 
おおきなおおきな おいも (福音館創作童話シリーズ)

おおきなおおきな おいも (福音館創作童話シリーズ)

これも作者の赤羽さんに読んでいただきました。話を聞いた当時、かなりのご高齢だったのですが、創作への意欲や感性の若々しさは年齢に関係ないのだということが、20才の私には強烈でした。 


なみだちゃんばんざい (講談社の幼年創作童話 8)

なみだちゃんばんざい (講談社の幼年創作童話 8)

 講談社の幼年シリーズの1冊。今買うと表紙の絵が変わっていますが、私は最初の版の絵の方が断然好きです。ものすごく美人なのに「泣き虫のなみだちゃん」が主人公です。
 あんまりガイドブックで紹介されたのを読んだことがありませんが、名作だと思います。

これはのみのぴこ

これはのみのぴこ

これも谷川さんに読んでいただきました。「つみあげうた」と言います。
 
  よく、「読み聞かせしたいんですけど何がいいですか?」と聞かれます。正直、この質問が一番苦手です。「答えようがない」からです。でも、例えば「1年生を持って、読み聞かせをしようと思って、取りあえず○○という本を読んでみたんですが、反応が今一つで、でもその理由が分からないから教えて欲しい」という質問なら、たちどころに、その処方箋の回答を用意できます。
 ということで、「読み聞かせ」をやろうという方で「11ぴきのねこ」を知らないのは、まずいかな?というレベルの本です。

 

 これは出版された時から、かなり紹介されていました。日本の児童文学をずっとリードしてこられた松岡さんの文章です。いい文章だなあと何度読んでも思います。
 
 ということで、6冊中3冊も作家自身の読み聞かせを体験していました。
 
 終了後、何人かの方に「読んでもらいたかった」と言われ、構成の計算ができない自分がなさけなかったです。