ニセ科学

 昨日の毎日新聞

 左巻健男同志社女子大教授の
理系白書’07:第1部・科学と非科学 私の提言を読んだ。

「ありがとう」と書いた紙を見せた水がきれいな氷の結晶になる、という「水からの伝言」はニセ科学の典型だが、これがなぜ多くの小学校で教えられたのかを考えてみたい。

 ニセ科学というのは巧妙で、分かりやすいストーリーと一見科学的な根拠を示す。「水からの伝言」も量子力学を持ち出して「言葉にも波動がある」と説明したり、素人には撮れない結晶の写真を補強材料に使った。教師は日々の学級指導などに忙しく、教材研究にかける余裕がない。そこで、自分も理解できて分かりやすいこの話を信じてしまったのではないか。親までが信じて、写真集はベストセラーになった。

 こうした現象の根底にあるのは科学リテラシー(科学を理解し判断する素養)の欠如だ。それは理科教育の問題でもある。
(以下略)

 

水からの伝言―世界初!!水の氷結結晶写真集 (Vol.2)

水からの伝言―世界初!!水の氷結結晶写真集 (Vol.2)

この本を読んだときに、「えっ?」と思ったものの、自分の疑問を誰に問うわけでなく、ましてや自分で調べようなんて発想は微塵もなかった。
 これは、「TV あるあるの『納豆』」の時と似ている。「えっ?」とは思うものの、大きくメディアに取り上げられてるし、「変じゃないの?」なんて、誰にも聞かなかったのだから。
 
 出典: フリー百科事典『ウィキペディアWikipedia)』によると
(これを引用していいものかどうかも、意見が分かれるでしょう)

 

水に言葉をかけると結晶の形がその言葉に影響されると主張しており、一般には擬似科学書とされるにもかかわらず、初等教育に使われるなど社会的影響が大きく、問題となっている。

この書籍が小学校などの道徳教材に使われ、問題となった。授業の実践例が「TOSS(教育技術法則化運動)」で紹介され、授業案のリンク集である「TOSSインターネットランド」に収録されたことが、広まった要因である。これに対して学校関係者や科学者からは、激しい批判が起きた。単に擬似科学ニセ科学を授業で教えることが科学的見地から批判されているだけではなく、「言葉の善し悪しを水に教わる」という内容自体がそもそも道徳教材として不適切であると指摘されており、問題は科学的正否にとどまらない。

 だそうだ。私は、この記事を読みながら、自分の中に取り込んでいる情報量が圧倒的に少ないのと、何となく変じゃないのか?と思うことの多くに素通りしていることに気がついた。