アーサー・ビナード氏
28日のILEC夏季国語教育セミナーで最後に行われた講演会は「アーサー・ビナード」氏だった。事前の打ち合わせで、「知りません」と、恥知らずなことを言ってしまって、後になって後悔する。ものすごく文章がうまい!!
- 作者: アーサー・ビナード
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2006/02/17
- メディア: 文庫
- 購入: 2人 クリック: 14回
- この商品を含むブログ (30件) を見る
怒りを記して強い表現にならず、面白い話やギャグを記して下品に流れない。これは得難い資質です。面白話などはサービス精神のあまり、ついデフォルメが過ぎて下世話になりがちなのですが、その塩梅が実にいいのです。
抑制しつつ言いたいことは言う。文章を書く上で、とても大事なことだと思います。
と書かれています。来日が1990年ですから15年でこのような日本語が書けるなんて・・です。
「富士の顔」というエッセイに富士山に登った時のことが書かれていますが
禿げ山を想像していたら、新五合目と六合目の間に見事なカラマツが生えていて、クルマユリやフジアザミなどが咲き誇っている。六合目すぎて、七合目にくると、卵色の小さな花をいっぱいつけたオンタデだけが残り、八合目ではそれも姿を消す。しかし今度は、山肌そのものが目を楽しませる。黄土、赤銅、鉄紺、鶯、利休鼠と、一歩ごとに色は移り変わる。
富士山に三度は登った私なんて、登るのに必死で頂上までの景色は目に入っておらず、山肌の色の変化にも当然気がつかなかった・・・。しかも利休鼠・・・。
この夏のおすすめです。こういう文を読んで尚かつ駄文を白日のもとに晒す私って何?って少し思いました。
もう1冊
- 作者: アーサー・ビナード
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2005/02/28
- メディア: 単行本
- 購入: 1人 クリック: 22回
- この商品を含むブログ (38件) を見る
おまけ
今日は、「沼津オープン」という卓球の公式戦に出場予定だったが、結局不参加とする。練習は1日もできず、出ても、卓球以前の問題で、ピン球に合わせて動けるかどうか?というレベルだと判断したため。ゼッケンを申し込んであるので、とにかく1試合は出たい。「8月27日はどう?」と聞かれるも、大阪・・・。