この本読んで!

 JPIC(財)出版文化産業振興財団 から出されている「わくわく 読み聞聞かせ マガジン」『この本読んで!』のBN全部に目を通した。季刊誌で年間4冊4200円。書店からは購入できず、直接申し込みます。
 読むきっかけは、子どもたちの言葉と心の発達をアカゲミックな角度からアプローチしていく連載「言葉と心のサイエンス」が調べ物として必要だったからで、4ページと短いですが、参考になります。
 
 通算19号を読んで、読み聞かせのブックガイドとして、学校単位で揃えておくと、情報を共有できていいのではと思いました。私は「あの作家に会いたい」というコーナーと描きおろしオリジナル絵本がなかなか楽しかったです。それに結構「知らなかった〜」ということがあって、勉強になりました。いくつか紹介します。

①「長野ヒデ子」さん

せとうちたいこさん デパートいきタイ (絵本・ちいさななかまたち)

せとうちたいこさん デパートいきタイ (絵本・ちいさななかまたち)

の中には絵本作家がたくさん登場しているそうです。「いとうひろし」「ささめやゆき」「中川ひろたか」「飯野和好」「新沢としひこ」「エムナマエ」「内田燐太郎」「西村繁男」「あべ弘志」「秋野亥左牟」(敬称略)がいらっしゃるそうです。

②「ささめやゆき」
文中にもありましたが、男性ですが、(名前で)99パーセント女性に間違えられるそうです。私も女性だと思ってました。

那須正幹

ねんどの神さま (えほんはともだち (27))

ねんどの神さま (えほんはともだち (27))

つい最近、学校で見つけ読みました。ラストシーンが児童書にあるような「よかったね」ではなく、釈然としない感じを持ちました。
 第8号(2003年秋号)で那須さんと絵を描いた武田さんの対談があって、そこで那須さんが

 

・・非常に後味の悪い作品なんです。子どももあの本を読んで怒るんです、作者は何を考えているのかと。でも僕は怒る気持ちとか、違和感を持ったりと、非常に後味の悪くなるような気持ちを大切にして欲しいんです。
 ・・実は僕自身も、50数年間の中で、僕の中にあったねんどの神様を壊している自分を感じているのです。ですからあえて僕はこの作品は子どもたちに不快感を持ってほしいと思っています。おはなしとしての予定調和でないものを感じてほしいんです。読んだ子どもたちが大きくなるにつれ、この問題について考えててくれればいいなというのが、僕の願いです。

と語っていました。そうだったんですね。児童書、特に絵本を数多く読んでいると「予定調和」の心地よさに包まれて、問題意識を持ったり、違和感を持ったりと言ったことをつい忘れてしまっているのだと気がつきました。
 本当に1ヶ月ほど前に読んだばかりで、どう自分の中で解釈して、子どもに渡すか迷っていたので、とってもすっきりしました。