アンパンマン
本校で月に1度行われている朝会では、校長先生の話の他、いろんな先生の話がある。昨日は、3年前に出産された先生。出産後の出血のため3日目が母体の峠だと言われたそうです。そしてお子様が1歳の時に、『アンパンマアン』に出会い、
アンパンアンの歌を聞いて「自分は何のために生まれてきたのか」と考えたそうです。命がけの出産をくぐった自身の琴線にふれるものがあったというのが伝わってくる本当に心に響く話でした。アンパンマンの大きな人形も見せてくれました。で、思い出したのが、神戸の新採1年目で受け持った男の子の話。2年生でしたが、不治の病で1年から入院していました。京都の病院だったので、毎月1度、校長先生と土曜日の午後お見舞いに行きました。お見舞いに行っても、のどを切開しているため、会話はできず目を合わせるだけでした。その時に目に入ってきたのが、ベッドのまわりにずらりと並んだ「アンパンマン」人形だったのです。「アンパンマン」の本は、子どもは大好きですが、私自身の「読み聞かせ」に使う本ではありません。
その時に「いい本って何だろう?」と痛切に思いました。子どもが大好きでずっと胸に抱くような本であれば、何だっていいんではないか・・・・と。「アンパンマン」の本はあと「数ヶ月の命」と言われている男の子を励ましているのですから。
この体験は、私が「読み聞かせ」と称する本の押し付けをしていないかを振り返る機会にもなりました。ですから、その後勤務先でブックリストを3回ほど作りましたが、「えらそうなブックリスト」になっていないかということは常に頭のすみにあります。
男の子は2学期に亡くなりました。お葬式で、校長先生に
「幸せな結婚式を挙げたときに、こういう人生が待っているとは思わなかったでしょうね。」って言うと「そうか、そういう風に思うのか・・・」って・・・。
今日の1年生読み聞かせ
- 作者: 長崎源之助,西村繁男
- 出版社/メーカー: 童心社
- 発売日: 1983/11/20
- メディア: 大型本
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ようちえんの入園式で泣いてばかりいたみゆきちゃんが、いろいろな経験を積みながら泣かなくなり、次の年の入園式で泣いている男の子におねえさんみたいに いいました。「ようちえんはこわくないわよ。おともだちがいっぱいいるし、うさぎさんもいるし、おいもも あるし、やさいいおばけも いるわよ。だから なくの よしなさいよ」
20年前ですが、子どもの気持ちは変わっていませんので今でも十分共感を得る本です。ちなみに、7ヶ月から保育園児だった次女は7ヶ月〜5才ぐらいまで、毎朝泣きつづけました。ですから、この「なきむしようちえん」に異常な執着を見せました。とにかく、最後の「みゆきちゃんは おねえさんみたいに いいました。」が大好きで、末っ子だから
「おねえさん」に憧れたのでしょうか?100回なんてものではなく、半年以上毎晩読みました。