子育てイメージ、その1 雪の思い出

 今日はいつになく冷えると思ったら、夕方から雪であった。東京や横浜で雪が降ろうとここでは降らないほど暖かで、20年のうち、校庭で雪遊びをしたのは1回、授業中に雪が舞っているだけで、授業中断。寒いわけです。雪のニュースを見ながら、次女が
「えっ、雪降ってるときに、傘差すの?」ととぼけたことを言うのに絶句。そうか、雪ってすごく濡れることをしらないんだ!実家は年々降らなくなったものの、一晩で50センチというのは結構あった。冬の体育は、低学年だったら、雪投げ合戦や学校にあった簡易スキー場でのそりすべり。高学年は当然、スキー。スキーセットは学校用のがありました。長靴のままパッチンととめる簡単なものです。私は小6で、足のサイズが26センチもあったので、教頭先生が、26センチの長靴でもいいようなスキーを買ってくれた。「普通のだったらきついし・・・」と思っていたのに、本当に嬉しかった。でも年々降らなくなり、スキ−場も取り壊されました。
 雪の降った日のその他の楽しみは、自宅まで帰る道。除雪はされているので、道の両側の雪に顔を押し付けて、「顔スタンプ」をしながら帰るのです。まだ新雪で固くならない間しかできません。そのうち固くなると通学路は、道路ではなく、田んぼの上の固くなった雪の上を歩いて行きます。などなど、楽しかった思い出があったので、大学時代に読んだ

大きな森の小さな家 ―インガルス一家の物語〈1〉 (福音館文庫 物語)

大きな森の小さな家 ―インガルス一家の物語〈1〉 (福音館文庫 物語)

に雪が降って、顔だけでなく、体全体を雪の上にバッタンと倒して遊んだ描写があり、いつかやりたい・・・と思いました。チャンスは思いのほか早くやってきました。2月に冬の北岳に登って下山途中の休憩場所で、平らな所に新雪が広がっているではありませんか!もう今しかない!と思い、空中にジャンプするような感じで雪の中へダイブ!・・・・・・私の体は新雪の中へ沈んだのではなく、アイズバーン(雪が固くなって氷のようになっている状態)の上を2,3度バウンドしたのです。一緒に行ったメンバーは何が起きたか理解できず。
そりゃそうですよね。休憩中にいきなり吹っ飛んだんですから。ご丁寧に証拠写真まで撮られ、唇を切って食事はできず。まあいいい思い出です。
 このシリーズは、家族が大自然の中子育てをしていくもので、私の子育てイメージはこの本が原点です。つまり、家族で協力、父は強く、母は優しく、家族の時間を何より大事にし・・・。いつか妹を話をしていたら、妹もこのイメージだったようで、びっくり。
 もう1冊、私の子育ての指針になったのは、
パルモア病院日記―三宅廉と二万人の赤ん坊たち (新潮文庫)

パルモア病院日記―三宅廉と二万人の赤ん坊たち (新潮文庫)

本文より
「三宅が京都府立大教授をいう地位を投げうって、神戸の原っぱに診療所を開いたのは昭和26年だった。なぜ、そんなことをーと周囲の人が思い、翻意させようとしたが、三宅の決意は固かった。・・・・しかもこのとき、三宅はもう47歳。・・・・だが、三宅には、やらなければならぬライフワークがあった。産婦人科と小児科の谷間にあって、顧みられなかった新生児を救うこと。それには産科と小児科が一体となった病院がどうしても必要だった。それぞれが別々に存在し、セクトを守っている大学病院では到底出来ないことを三宅はよく知っていた。産科と小児科の‘闇の谷’を埋める日本初の周産期医療病院を作るのが三宅の夢であった。これは、昭和3年、三宅が京都府医大を卒業するときからの、長い、見果てぬ夢だった。」
 1986年の出版で当時NHKスペシャルでも取り上げられました。長男出産前に読み、今読み返すと離乳食のところにマーカーが引いてあったりします。三宅先生の熱意に打たれたこともありますが、自分が子どもを授かり、育てる事に対する心棒のようなものをこの本から学びました。
また、本文にあった、
「昭和45年には<乳児神経症から見た母子の問題>を発表する。乳児神経症は、睡眠障害、憤怒痙攣、気管支喘息、拒食症、過食症、神経性嘔吐症、腹部せん痛、排泄障害などがあり、母親を悩ませる。しかしこれらはすべて母親の性格と接触態度からくる。だから母親の指導がもっとも大切と説く。三宅は長年、新生児病棟で、母親が初めて子を持つという極めて微妙な心理を見、対話をして観察してきた。過保護型の母親の性格は、すでに出産時に哺乳させるときや沐浴のときに強く現れるのだった。育児に対する恐怖、不安、心配が強い。逆に愛情に乏しく、育児に興味が薄い拒否型の母親もすぐわかる。睡眠障害や憤怒痙攣、気管支喘息などは、母親の過度の保護が裏目に出る好例であり、拒食症や過食症は両方のタイプがこれを出させる。・・・・・」
そして
「子どもの人間性を育てるには母親の人間性以外に絶対ない。育児ほど難しいものはない。それは独自性であり、しかも1回性だからである。やり直しが許されない。終始安定性を持ち、知的な愛情を持って子どもを理解し、子の人格と個性を尊重して正しく導き、支配と服従、愛情と拒否のバランスを程よく持ちうる母が生まれないものだろうか。小児科医が望ましい母を創り出すために努力することは、不幸な子供を造らぬ対策以上に必要なことではないか。」
「母子一体は母の特権で、生命のすべてなのです。父親にはない特権です。最初が肝心で、これをしかりやっていれば子は大丈夫です。ところが、時が来たら一気に母子分離をしなければならないのに、大きくなってもいつまでもひっついているからおかしくなる。途中からは父親の出番なのです。そして子を自立させる。その、何でもないことが出来ていないから、今、あちこちで問題が起こっている。」
に強い影響を受け、小学校入学前までは基本的には子育て中心でいくことを決めたような気がします。当然、独身時代には遊ぶ予定で真っ黒だった手帳そのものが不要になり、飲み会は年に片手あるかないか。仕事を25才であっさりやめ、専業主婦になったのは、きっと自分で育てたいという思いがずっと心のどこかにあったのでしょう。
 文中には、聖路加病院の「日野原重明先生」が三宅先生の長年の友人として何度か登場します。
 この本は文庫版でも出ているようなので、これから出産、子育ての方は読んでおくといいでしょう。「子どもの人間性を育てるには母親の人間性以外絶対ない」なんていうのは、今の若い人はどう思うのでしょうか?私は当然と思っていましたが、聞いてみたいと思います。

 おまけ
 でも何だかえらそうに聞こえるかもしれませんが、長男の妊娠に気が付かず、3日間、山スキーをしてたぐらいですからたいしたことはありません。スキー板にシールを付け、下山途中はすごいブッシュでこけてばかり。よくぞ母にしがみついていてくれたものだと感謝してます。
 その長男、寮生活を終え2年ぶり自宅での生活へ。荷物の中に英字新聞があるのを次女が見つけ「あっイギリスの新聞だ。」・・・・。聞くと来年の「総合英語」はすべてこの英字新聞の授業らしい。平日は朝6時の朝食に必ず起きてくるように伝える。

読了

うらからいらっしゃい―七つの怪談 (偕成社ワンダーランド (30))

うらからいらっしゃい―七つの怪談 (偕成社ワンダーランド (30))

「ひとりでいらっしゃい」の続編。怖い話が好きな子どもへ。私もこのぐらいだったら、怖い夢は見ないでしょう。