再び金原瑞人

読了

金原氏は1954年生まれ。団塊世代の次の三無(無気力・無関心・無感動)主義世代だそうです。この本では、この下が、「おたく世代」とありましたが、少し年下の私は、「おたく」の1歩手前のような気がします。私の高校生のときに、忘れもしません、新聞の家庭欄に「三無主義を通り越し、十無主義の高校生」ってありましたから。その記事を読みながら、「人を十把ひとからげにくくれるのかな?」って思ったのを覚えています。

出版社紹介
あらゆる両義性を引き受ける、ポップで少しだけ重い人生論。

終章「大人になれないまま成熟するために」より

<本書は、ある意味で、全共闘の闘争世代、あるいは団塊の世代の批判になってしまったところがあります。言わずもがなのことかもしれませんが、これはあくまで一般論として述べたまでの話で、同世代の人がみんなそうだとということではありません。(中略)しかし、団塊、三無、その狭間というように図式的にわかれているとは言え、ぼくたちには、自分が大人になれない大人であるという自覚のもとに成熟しなければならなかった日本ではじめての人間であったという点で、確かな共通点があります。>

私がずっと、ヤングアダルトを読み続けるのって、大人になれないままっていうことだったんだ!?

最後に、1987年〜連載されていた「ヤングアダルト招待席」で紹介した本が掲載されていて、あ〜なつかしい

愛の矢車草 (新潮文庫)

愛の矢車草 (新潮文庫)

風葬の教室

風葬の教室

この連載で初めて橋本治山田詠美を知ったはず。特に山田詠美は、
晩年の子供 (講談社文庫)
と共に私のお気に入り。

それから、あとがきに「この本を箇条書きにするとこんな感じになります。」
とあり、5点にまとめられている。あとがきで、こんなに親切(?)なのも珍しい。その⑤に
<権威化してしまった日本の文芸批評の世界からは見向きもなれない(されなかった)ヤングアダルト向けの小説について注意を喚起すること。齋藤美奈子が、「女性を元気にする文学」として「L文学」(レディ・ラブ・リブ)なる言葉を作り、L文学が日本の文芸を切り崩しはじめている現状を語っていますが、ヤングアダルト小説もまた同じような役割を果たしつつあります。>
とある。齋藤美奈子の「L文学」についての記事はたしか新聞で読み、佐藤多佳子さん、森絵都さんなどの作家があげられていたように思う。それほど、本を読んでない私でも、ヤングアダルト小説が増えてきたなとは思う。
小学校現場的に言うと、小学校の図書館作りで、このヤングアダルト小説を知らないと高学年の棚を作れない。だから、必死で情報を集め、読んでいる・・・。

15:00〜次女中学制服採寸。
先日、私の所用の後にしようかと思って、そう言ったら
「あのね、どうしてそういう風についでで済まそうっていうワケ?私のため だけの時間ってそんなに作れないの?」って・・・。ごもっとも。

19:30〜卓球。
帰宅後、今日ブックオフで購入したたくさんの本を見ながら、夫が
「オレの本と本当に重ならない。全く趣味が違うよな!!」って言ってた。
 だって、YA3冊と、橋本治3冊、重松清ナンシー関。おじさんの読書と 違って当然。