固唾をのんで聞く

 1年

11ぴきのねことぶた

11ぴきのねことぶた

読み聞かせ定番『11ぴきシリーズ』。教師になりたてで、右往左往していた新採の頃からお世話になった本です。久しぶりに今年1年生に読んだら、もうまるっきり、20年前と同じ楽しい反応でした。初版から30年近くたっていますが、どの本もどの本も楽しさの保障つき。
今日の本は、11ぴきのねこが、雨にぬれていたぶたさんをかわいそうに思って家に入れ、家を建てるのを手伝うところで、「やさしいなあ〜」と思うのですが・・・。
1年の担任の先生は、保護者からの連絡帳に目を通しながら、本を聞き、
子どもの表情を見ていてくれます。今日はお話の世界にひたっていた子どもに読み終わった後で「よく聞いてたねえ〜」って言うのが聞こえました。
1年近く、もう100冊以上の本を聞いているので、読みごたえのある本も聞けるようになりました。

2年・3年

新装版 八方にらみねこ (講談社の創作絵本)

新装版 八方にらみねこ (講談社の創作絵本)

出版社/著者からの内容紹介
おかいこを、ねずみから守るため!

捨てねこだった子ねこを拾ってくれた、ばあさとじいさ。
恩返しのつもりで、おかいこをねずみたちから守ろうとしても、ちびねこのみけでは力不足。
みけは「八方にらみの術」を会得するために、山に修行に入りますが!?

第19回ボローニャ国際児童図書展エルバ賞受賞作
第4回絵本にっぽん賞受賞

これは新装版ですが、今日読んだのは、たまたま学校にあった1981年版。この本には、作者武田英子さんの文が書かれています。

養蚕の歴史は、「魏志倭人伝」に書かれているほど古く、長いあいだ、わが国の民族産業として人々の生活を支えてきました。とりわけ、近代では、国の経営に大きな役割を果たしました。美しい絹の糸を吐くおかいこが元気に育ってくれるようにと、人々は、日夜見守り、心身をつかい、とりわけ主婦の働きは大きいものでした。また、おかいこが病気やねずみにやられないように、蚕影(こかげ)明神や蚕玉(こだま)様などの神様に祈り、蚕安全の猫の絵馬を奉納しました。猫も、ねずみ退治に一役を担ったのです。今日では、いろいろな化学繊維が開発され、この物語のじいさまやばあさまが経験したような養蚕の苦労は、だんだん忘れられていくようです。だからこそ、そのことを伝えたくて、清水耕蔵さんの絵に託して、この絵本を心をこめてつくりました。

私は農家で育ち、曽祖父の代には養蚕をし、家の前には桑畑が広がり、年末のおもちつきには、この絵本にある「もちばな」を作って育ちました。だからというわけではないのですが、こういう純和風のストーリーがしっかりした本はすごく好きです。

昨年末1年生に読み、読み終わって一緒に聞いていた担任が思わず
「固唾をのんで聞いてましたね!」って声をかけたほどの聞き方でした。
特にみけねこの修行が終わったところや、ねずみをにらみ殺すことろは息を止めているのが分かりました。

3年生も同じ本。「八方って知ってる?」と聞くと自分を中心にして、1.2.3・・8って回りながら数え「ぐるっと1周」って答えてくれました。さすが、3年生。

学校の周りには田んぼがひろがっていますが、自宅でのもちつきはクラスで3,4人。もちばな作りは1人でした。桑の木を知っているのは1人。蚕は誰も知らず。でも説明しなくても大丈夫でした。