臨界点

 
 ずっと絵本を読む。今回は、おじいちゃん、おばあちゃん、それに戦争、死などをテーマにした本がかなりある。その中の1冊

昭ちゃんの紙芝居 (“百番目のサル”シリーズ)

昭ちゃんの紙芝居 (“百番目のサル”シリーズ)

のあとがきが、非常に心に残る。

 この本の表紙には“百番目のサル”シリーズとある。その説明があとがきに記されている。“百番目のサル”とは・・・・(概略)

 九州の日南海岸にある無人島の幸島に昔からニホンザルが住んでいて、1949年にサツマイモの餌付けを始めたら、2年後に成功し、イモの泥を手で取ったり、身体にこすりつけて取っていたそうです。
 そうして翌年、生後18ヶ月のメスザルがイモを近くの浅瀬で洗って食べ始め、このイモ洗いは群れに徐々に広がり、そして99番目のサルがイモ洗いを学び、100番目のサルがイモ洗いを学んだ時に、幸島すべてのサルがイモを浅瀬に持っていって洗い始めた・・というもの。

 それを木戸さんは

 

ニホンザルに起こったこの事実は、ある特定の臨界点を満たすと、その新しい自覚は、1つの心からもう1つの心へ伝わる、ということを裏付けるものだといえます。
 また、具体的な人数は異なりますが、この“百番目のサル”現象は、その自覚に波長を合わせる人が、もう1人加わることによって、突如エネルギーが強化されます。
 この自覚は、ほとんどすべての人々の心から心へと伝わる、そういう点(臨界点)があるということを意味しています。

 「突如エネルギーが強化される」「臨界点」というのは、非常によく分かるたとえです。「臨界点」に達するためには、日々のささやかな実践を積み重ねるしかないとも思いました。