選書続き

図書館本の選書について、もう1度おさらいをしている。

 たくさんの予算があった時は、大人買いができたけれど、そんなに潤沢でない予算をどう使えばよいのかという相談を受けたときには、山のようなリストを見せても仕方なく、精選が必要だということ。

 

子どもの本―この1年を振り返って〈2007年〉

子どもの本―この1年を振り返って〈2007年〉

改めて、この本を読むと、「役立つなあと」思うことが本当にたくさんある。

 例えば、

人間失格 (集英社文庫)

人間失格 (集英社文庫)

 書店に平積みされていて、コレなら高校生買うだろうなあ〜ぐらいにしか思っていなかったが、その解説文。

 YA世代へのアピール度では、「(上記の)人間失格が抜きんでていました。
ポイントは、表紙、これはただマンガ絵だから受けたという訳じゃなくて、この絵を、この作家が、こういう風に描いた、というのが大事なのです。(中略)

DEATH NOTE デスノート(1) (ジャンプ・コミックス)

DEATH NOTE デスノート(1) (ジャンプ・コミックス)

そのベストセラー・コミックの主人公に似た男の子が、「人間失格」の表紙を飾ったことで、この本が彼らの身近な本になった。つまり、これを考えた集英社はすごく上手だったのです。(中略)
 YA層を惹きつけるためには、いま彼らにアピールする何かを用意する必要があります。自分にとって、もしかしたらこれはすごく大事なものじゃないか、と思わせる何か−それを知るためには、彼らが今何を好んでいるか知る必要があります。「人間失格」は、そうした「リンク」への成功例でした。
(吉田倫子さん ヤングアダルトサービス研究会)

(太字はkoyateru)

「自分にとって、もしかしたらすごく大事」。そういう感覚を書籍で若いときに持つことができた子どもは、一生涯本を手放すことはないんだろうなあと思った。