怖い話

 自然教室無事終了。

 自然教室での夜の定番は、「怖い話と肝試し」である。いつか、これらの行事のルーツは、何だろう?という話になったが、それはさておき・・・。

 私は小学生の頃、江戸川乱歩の怖い話を毎晩自宅で聞いて育った。自分でも当然読めたはずだが、「聞く」ことによるイメージは、自分で読んだのと比べて断然緊張感が違った。

 その後、ホラーものは読んでいなかったが、高校の時に「横溝正史」ブームがきた。
 そして、毎晩毎晩たぶん勉強もせずに、横溝作品を読みふけることになり、「怖くてトイレに行けない」日々が続いたのである。

 田舎のだだっ広い家で、当然水洗化されていない1階のトイレに、2階から降りていくのは、並大抵
でない根性があったような気がする私でも無理があった。階段を降り切った廊下の陰から、夜叉のお面を被った犯人が出てくるような気がして、仕方なかった。
 そんなに怖いのなら、夜中に読むのをやめればいいと思うが、夜しか読めないのである。そして、想像力を満開にした結果、来る日も来る日も「(どこにもいない)犯人に、ひとりで怯える」ということの繰り返しであった。
 ※同じように読んでいた友人と「トイレ行けないよね!?」と確認しあった記憶があるので、少なからずの人が同じような(想像力の)恐怖体験をしたと思っている。

 その後、映画化されて映像で見た方が、よっぽど本で読むより怖くなくてびっくりしたものである。あの「恐怖」体験は何だったんだろう?!

犬神家の一族 金田一耕助ファイル 5 (角川文庫)

犬神家の一族 金田一耕助ファイル 5 (角川文庫)

獄門島 (角川文庫)

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八つ墓村 (角川文庫)

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